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東洋医術の門

「ナギサ」のはなし(講演録)

2005年5月28日

治療の手段、
ていうか目的があるわけだから「治す」というね。

「治す」作業をどうするか?
要するにモノを変えるということなんで。
で、モノってのはなにかっていうと前にも言ったように、
固体、液体、気体(ガス)、無体(みえない)、四層ですね。
こういうふうに変えてくわけだね。

で点、線、面、体、質。
いったりきたりやるわけでしょ。
だから触れることによって変えていくってことでしょ。
変えるってことは「サ」を診てくってことでしょ。

さて、血が流れて動脈になって静脈になって。
それはわかっていることでしょ。
ようするにO2を運んで CO2を運んで。
同化して異化して。新陳代謝してくわけでしょ。
その「サ」のところをわかる
感受性、感覚をつくっていくわけでしょ。

まず、動脈から静脈にいくところの「サ」だよね。

なんで血が戻ってくるのか。
開放系だよ、
繋がってないでしょ。
ようするに交換しているわけでしょ、
そこで。浸透圧だね。濃度。
濃いほうに流れる。どっちが濃いかわかんない(笑)。

で、そうなんだけど、
ようは私が考えているのは「日本の砂浜」。

海と陸地の「ナギサ」の状態ね。
泥の状態、ようするに岸壁じゃない。

岸壁で仕切ってしまうと固体でガンとね、
液体と固体の「サ」がはっきりしているわけでしょ。

ここのところにドロドロの状態、
いわゆる「ナギサ」というね。
ここがだから新陳代謝の現場なんだね。
だからモノが発生するというか
「ムシが湧く」というか。
でいまも発生しているわけ。
ウジが湧いてモノが生まれているわけだ。

それは硫黄の火山灰地のあのようなところですね。
100℃以上でも生きているバクテリアがいるっていうね。
ま、そういう条件があれば
絶えず生物は生まれてくる。

ようはムシが湧いてくるんですよ、
条件さえ整えば。
我々だってものすごい数の精子が卵子に辿り着く、
そういう現場があるわけでしょ。
え〜、なんていうの、一つの固体が生まれてまた死んでいく。
大きな循環にいるわけでしょ。

我々は「ヤマヒ」
ていうか病名を、
ようするに臓器なり、
いまの医学に毒されちゃってると。

だからそこで考えがちなんだけど、
認識するのは、こういう状況はどこが問題なのかってこと。
わかりやすく言えば、固化してる状態。
それを柔らかくしてあげるっていう。

そして柔らかくしただけじゃだめなんだよね、
やっぱり一本のスジが通ってなくちゃいけない。

立っているという。
ただ柔らかいだけじゃ軟体動物になってしまう。
しっかり重力に対して反作用を持つっていう。
アースして重力としっかり向かい合って、生きていく。
ていう状況をつくってあげなくちゃ。
寝たきりじゃ困るわけで。

だからそれでいまやったのはとりあえず、
固体を液状化するっていう
それをこんど気体にしていくっていう。
で、いちおう皮袋のなかにいる。
動脈と静脈という、はっきりしたモノはあるんだけど、
その代謝の現場のところをもっと柔らかくしてあげる。

だからそれは末端っていうんだけど、全部末端でしょ。
皮膚(ヒフ)は全部末端でしょ。
この手先だってみんな代謝の現場でしょ。
そこのところを柔らかくしてあげる。

アナ、マタ、キワ、スソノ、
さっきも言ったように転換する場所を狙っていく。
ほぐしてあげる。

ようは変えるということ。
変えるためには
変わるための条件をつくってあげるということ。
あとは治すっていうのは、
カミが治すとしかいいようがない(談)